外郎売

日記・思うがまま

外郎売の台詞と上達のコツ

久しぶりに日曜日に休暇が取れたので、読みたかった外郎売を読書。この外郎売は発声や滑舌の向上のための教材としてよく練習した。今でも一字一句間違えずに口上できるのが自分でも??です。よくよく考えなくても、これで一芸できるんだわ~。外郎売の衣装着ての大道芸もいいかもね。

以下に外郎売の全文を紹介しておくが、上達のコツというか、あくまで僕のやり方とお断りして。
まず全文を暗記することから始める。暗記のコツは歌謡曲を唄うような調子で自分なりの流れをつかむ。
全文をよく読んでいくと、この向上の流れというかストーリーが理解できてくると、次のセリへの言い回しが楽になります。
漢字が読みにくい場合、ひらがな全文から始めるといいです。
暗記ができたら、今度は大道芸人になったつもりで、あなたの前にお客さんがいるととして、そのお客さんが買いたくなるような向上を述べる。
最初は、棒読み状態になると思いますが、抑揚をつけて口上していきましょう。

外郎売の台詞全文
拙者親方と申すは、御立会の内に御存知の御方も御座りましょうが、御江戸を発って二十里上方、相州小田原一色町を御過ぎなされて、青物町を上りへ御出でなさるれば、欄干橋虎屋藤右衛門、只今では剃髪致して圓斎と名乗りまする。

元朝より大晦日まで御手に入れまする此の薬は、昔、珍の国の唐人外郎と云う人、我が朝へ来たり。帝へ参内の折から此の薬を深く込め置き、用うる時は一粒ずつ冠の隙間より取り出だす。

依ってその名を帝より「透頂香」と賜る。
即ち文字には頂き・透く・香と書いて透頂香と申す。

只今では此の薬、殊の外、世上に広まり、方々に偽看板を出だし、イヤ小田原の、灰俵の、さん俵の、炭俵のと色々に申せども、平仮名を以って「ういろう」と記せしは親方圓斎ばかり。もしや御立会の内に、熱海か塔ノ沢へ湯治に御出でなさるるか、又は伊勢御参宮の折からは、必ず門違いなされまするな。

御上りなれば右の方、御下りなれば左側、八方が八つ棟、面が三つ棟、玉堂造、破風には菊に桐の薹の御紋を御赦免あって、系図正しき薬で御座る。

イヤ最前より家名の自慢ばかり申しても、御存知無い方には正真の胡椒の丸呑み、白河夜船、されば一粒食べ掛けて、その気味合いを御目に掛けましょう。先ず此の薬を斯様に一粒舌の上に乗せまして、腹内へ納めますると、イヤどうも言えぬわ、胃・心・肺・肝が健やかに成りて、薫風喉より来たり、口中微涼を生ずるが如し。魚・鳥・茸・麺類の食い合わせ、その他万病即効在る事神の如し。

さて此の薬、第一の奇妙には、舌の廻る事が銭ごまが裸足で逃げる。ヒョッと舌が廻り出すと矢も盾も堪らぬじゃ。

そりゃそりゃそらそりゃ、廻って来たわ、廻って来るわ。アワヤ喉、サタラナ舌にカ牙サ歯音、ハマの二つは唇の軽重。開合爽やかに、アカサタナハマヤラワ、オコソトノホモヨロヲ。一つへぎへぎに、へぎ干し・はじかみ、盆豆・盆米・盆牛蒡、摘蓼・摘豆・摘山椒、書写山の社僧正。

小米の生噛み、小米の生噛み、こん小米のこ生噛み。繻子・緋繻子、繻子・繻珍。

親も嘉兵衛、子も嘉兵衛、親嘉兵衛・子嘉兵衛、子嘉兵衛・親嘉兵衛。古栗の木の古切り口。雨合羽か番合羽か。貴様の脚絆も革脚絆、我等が脚絆も革脚絆。尻革袴のしっ綻びを、三針針長にちょと縫うて、縫うてちょとぶん出せ。河原撫子・野石竹、野良如来、野良如来、三野良如来に六野良如来。

一寸先の御小仏に御蹴躓きゃるな、細溝にどじょにょろり。京の生鱈、奈良生真名鰹、ちょと四五貫目。御茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ。茶立ちょ、青竹茶筅で御茶ちゃっと立ちゃ。来るわ来るわ何が来る、高野の山の御柿小僧、狸百匹、箸百膳、天目百杯、棒八百本。武具、馬具、武具馬具、三武具馬具、合わせて武具馬具、六武具馬具。

菊、栗、菊栗、三菊栗、合わせて菊栗、六菊栗。麦、塵、麦塵、三麦塵、合わせて麦塵、六麦塵。あの長押の長薙刀は誰が長薙刀ぞ。向こうの胡麻殻は荏の胡麻殻か真胡麻殻か、あれこそ本の真胡麻殻。がらぴぃがらぴぃ風車。起きゃがれ小法師、起きゃがれ小法師、昨夜も溢してまた溢した。

たぁぷぽぽ、たぁぷぽぽ、ちりからちりから、つったっぽ、たっぽたっぽ一干蛸。落ちたら煮て食お、煮ても焼いても食われぬ物は、五徳・鉄灸、金熊童子に、石熊・石持・虎熊・虎鱚。中でも東寺の羅生門には、茨木童子が腕栗五合掴んでおむしゃる、彼の頼光の膝元去らず。鮒・金柑・椎茸・定めて後段な、蕎麦切り・素麺、饂飩か愚鈍な小新発知。小棚の小下の小桶に小味噌が小有るぞ、小杓子小持って小掬って小寄こせ。

おっと合点だ、心得田圃の川崎・神奈川・程ヶ谷・戸塚は走って行けば、灸を擦り剥く三里ばかりか、藤沢・平塚・大磯がしや、小磯の宿を七つ起きして、早天早々、相州小田原、透頂香。隠れ御座らぬ貴賎群衆の、花の御江戸の花ういろう。

アレあの花を見て、御心を御和らぎやと言う、産子・這子に至るまで、此の外郎の御評判、御存じ無いとは申されまいまいつぶり、角出せ棒出せぼうぼう眉に、臼杵擂鉢ばちばち桑原桑原桑原と、羽目を外して今日御出での何茂様に、上げねばならぬ、売らねばならぬと、息せい引っ張り、東方世界の薬の元締、薬師如来も照覧あれと、ホホ敬って外郎はいらっしゃりませぬか。

(全文ひらがなはこちら)
せっしゃおやかたともうすは、おたちあいのうち(なか)に、ごぞんじのおかたもござりましょうが、
おえどをたってにじゅうりかみがた、そうしゅうおだわらいっしきまちをおすぎなされて、
あおものちょうをのぼりへおいでなさるれば、らんかんばしとらやとうえもん、
ただいまはていはついたして、えんさいとなのりまする。

がんちょうより、おおつごもりまで、おてにいれまするこのくすりは、
むかしちんのくにのとうじん、ういろうというひと、わがちょうへきたり、

みかどへさんだいのおりから、このくすりをふかくこめおき、
もちゆるときはひとつぶずつ、かんむりのすきまよりとりいだす。
よってそのなをみかどより、とうちんこうとたまわる。
すなわ(は)ちもんじには、「いただき、すく、におい」とかいて
「とうちんこう」ともうす。

ただいまはこのくすり、ことのほかせじょうにひろまり、ほうぼうににせかんばんをいだし、
いや、おだわらの、はいだわらの、さんだわらの、すみだわらのと、
いろいろのもうせども、ひらがなをもって「ういろう」としるせしは
おやかたえんさいばかり。

もしやおたちあいのうち(なか)に、あたみかとうのさわへとうじにおいでなさるるか、
またはいせさんぐうのおりからは、かならずかどちがいされますな。

おのぼりならばみぎのかた、おくだりなればひだりがわ、
はっぽうがやつむね、おもてがみつむねぎょくどうづくちり、
はふにはきくにきりのとうのごもんをごしゃめんあって、
けいずただしきくすりでござる。

いやさいぜんよりかめいのじまんばかりをもうしても、
ごぞんじ(の)ないかたには、しょうしんのこしょうのまるのみしらかわよふね、
さればいちりゅうたべかけて、そのきみあいをおめにかけましょう。
まずこのくすりをかようにひとつぶしたのうえにのせまして、
ふくないへおさめますると、

いやどうもいえぬは、い、しん、はい、かんがすこやかになりて、
くんぷうのんどよりきたり、こうちゅうびりょをしょうずるがごとし、
ぎょちょう、きのこ、めんるいのくいあわせ、そのほか、まんびょうそっこうあることかみのごとし。

さて、このくすり、だいいちのきみょうには、したのまわることが、ぜにごまがはだしでにげる。
ひょっとしたがまわりだすと、やもたてもたまらぬじゃ。そりゃそら、
そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ。あわやの(ん)ど、さたらなしたにかげさしおん、

はまのふたつはくちびるのけいちょう、かいごうさわやかに、あかさたなはまららわ、おこそとのほもよろを、
ひとつへぎへぎに、へぎほしはじかみ、ぼんまめぼんごめ、ぼんごぼう、つみたで、つみまめ、つみざんしょ、
しょしゃざんのしゃそうじょう、こごめのなまがみ、こごめのなまがみ、こんこごめのこなまがみ、
しゅすひじゅす、しゅす、しゅちん、おやもかへえ、こもかへえ、おやかひこかへい、こかへいおやかへい、
ふるくりにきのふるきりく(ぐ)ち。

あまがっぱか、ばんがぱか、きさまのきゃはんもかわぎゃはん、われらがきゃはんもかわぎゃはん、
しっかわばかまのしっぽころびを、みはりはりなかにちょとぬうて、ぬうてちょとぶんだせ、かわらなでしこ、の ぜきちく。
のらにょらい、のらにょらい、みのらにょらいにむのらにょらい。

ちょっとさきのおこぼとけにおけつまずきゃるな、ほそどぶにどじょにょろり。
きょうのなまだらならなまがつお、ちょっとし、ごくぁんめ、おちゃたちょ、ちゃたちょ、ちゃっとたちょ、ちゃ たちょ、
あおだけちゃせんでおちゃちゃとたちゃ。

くるはくるはなにがくる、こうやのやまのおこけらこぞう。
たぬきひゃっぴき、はしひゃくぜん、てんもくひゃっぱい、ぼうはっぴゃっぽん。
ぶぐ、ばぐ、ぶぐ、みぶぐばぐ、あわせてぶぐ、ばぐ、むぶぐばぐ。
きく、くり、きく、くり、みきくくり、あわせてきくくりむきくくり、
むぎ、ごみ、むぎ、ごみ、みむぎごみ、あわせてむぎ、ごみ、むむぎごみ。
あのなげしのながなぎなたは、たがながなぎなたぞ。

むこうのごまがらは、えのごまがらか、あれこそほんのまごまがら。がらぴい、がらぴいかざぐるま、
おきゃがれこぼし、おっきゃがらこぼうし、ゆんべもこぼしてまたこぼした。

たぷぽぽ、たぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、たっぽたっぽのいっちょうだこ、おちたらにてくお、に てもやいてもくわれぬものは、
ごとく、てっきゅう、かなく(ぐ)まどうじに、いしくま、いしもち、とらくま、とらきす、なかにも、とうじのら しょうもんいは、いばらぎどうじがうでぐりごんごうつかんでおむしゃる、
かのらいこうのひざもとさらず。
ふなきんかん、しいたけ、さだめてごたんな、そばきり、そうめん。うどんか、ぐどんなこしんぼち。
こだなの、こしたの、こおけに、こみそが、こあるぞ、こしゃくし、こもって、こすくって、こよこせ、おっとが ってんだ、
こころえたんぼのかわさき、かながわ、ほどがや、とつ(づ)かは、はしってゆけば、
やいとをすりむく、さんりばかりか、ふじさわ、ひらつか、おおいそがしや、
こいそのたどをななつおきして、そうてんそうそう、そうしゅうおだわらとうちんこう、
かくれござらぬきせんぐんじゅ(しゅ)のはなのおえどのはなういろう。

あれあのはなをみておこころをおやわらぎやという。
うぶこはうこにいたるまで、このういろうのごひょうばん、ごぞんじないとはもうされまいまいぶり、
つのだせ、ぼうだせ、ぼうぼうまゆに、うす、きね、すりばち、ばちばちぐわらぐわらぐわらと、
はめをはずしてこんにちおいでのいずれもさまに、あげねばならぬ、うらねばならぬといきせいひっぱり、
とうほうせかいのくすりのもとじめ、やくしにょらいもしょうらんあれと、
ほほうやまって、ういろうは、いらっしゃりませぬか。

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